私事覚書

君に今、伝えておきたいこと

関ジャニ∞といっしょに、宇宙の果てを目指す。

※「KANJANI∞ DOME LIVE 18祭」(ライブ円盤2023年6月28日発売)、「幕が上がる」(初刊2012年、映画公開2015年)の内容に触れています。特に「幕が上がる」に関しては、「ネタバレ」と言ってもいいほどの話をしますのでお気をつけください。(2015年映画公開の作品に今更ネタバレも何も……という感じかもしれませんが映画「幕が上がる」は本当に本当に名作なので……)

















ドーム18祭に対する雑記、あるいは「ペンライトを青色に光らせられるようになるまで」の蛇足として







「 先生、この手紙は、……このノートに書いた手紙は、きっと誰にも届きません。届けるつもりもありません。だけど、それでも今、私はここに手紙を書いています。
今先生に会ったら、私はきっとひどいことを言ってしまいます。だって本当にひどいから。……でも間違ってない。先生は正しいです。 」


以上は映画「幕が上がる」の終盤にある、主人公・高橋さおりの独白。

「幕が上がる」は、高校の演劇部の話だ。さおりは三年生になり、演劇部の部長になる。新任の美術教師が、昔演劇をしていたと知り、副顧問をやってくれないかと頼みに行く。その美術教師―吉岡先生―が、実は過去「学生演劇の女王」と呼ばれたほどすごい役者で、彼女の指導で弱小演劇部は全国大会を目指すようになる――とまあ、そんな感じの物語だ。
でも、彼女は、吉岡先生はさおりたちを「裏切る」。
全国大会の前段階、県大会を目前にしたタイミングで、吉岡先生は教師をやめる。「やっぱり私は、教師ではなく女優でした。」と言って。





…………思うところが死ぬほどある。

私は公開当時からこの映画が大好きで、おすすめの映画を聞かれたら必ずこの作品を挙げているが、正直なところ、eighterには薦めづらい作品だとも思っている。


冒頭で引用したさおりの独白部分は、映画のサントラに丸々収録されている。私は、それを2018年以降、何度も繰り返し聴いていた。

“だって本当にひどいから。
……でも間違ってない。先生は正しいです。”

私は、当時も今も、別に渋谷さんのことも錦戸さんのことも「ひどい」とは思ってない。そう思っているひとの気持ちを否定するつもりもないが、私は今も「だいじょうぶ、大好きだよ」以外に言いたいことはないなと思ってる。
じゃあ当時この台詞を繰り返し聴きながら、私が何を考えていたかというと、私は彼らに「でも間違ってない。君は正しいです。」と言えるだろうかということだった。
正しいです。と、渋谷さんと錦戸さんと、それからなにより関ジャニ∞に、言えるだろうかということだった。

当時は、まだ、分からなかった。






それから4年後。

2022年12月18日、私はドーム18祭のペイペイドーム公演に参戦した。
関ジャニ∞のドームライブは、合間合間で暗転し映像が流れる。それを会場にいる我々は一旦着座して観る。(ちなみに関ジャニ∞のライブではMCでも一旦着座する。なんならメンバー直々に「お座りください」と促されるし、会場にいる全員で乾杯して水分補給するし今のうちにトイレに行けとも言われる。どんなライブだ)

まあ言ってしまえば映像はメンバーの移動・着替えのつなぎなわけだが、毎回かなり凝ってる。

ドーム18祭で流れた映像は、全編を通し5人が汽車に乗り、宇宙へと旅立っていくというものだった。

あれを観て「銀河鉄道の夜」を思い浮かべたひとは多いだろうが、私は「幕が上がる」のことを思い出していた。「幕が上がる」は、劇中劇で「銀河鉄道の夜」を演じるのだ。

銀河鉄道の夜」も「幕が上がる」も、離別と成長の話だと、私は思っている。
さおりは、先生がいなくなったあともう一度脚本を練り直し、台詞を一部変える。舞台「銀河鉄道の夜」は更に良いものとなり、演劇部は県大会に挑む。小説で、さおりは舞台を見ながら「私たちは、舞台の上でなら、どこまででも行ける。」と考えるシーンがある。

私たちは、舞台の上でなら、どこまででも行ける。どこまででも行ける切符をもっている。私たちの頭の中は、銀河と同じ大きさだ。
でも、私たちは、それでもやっぱり、宇宙の端にはたどり着けない。私たちは、どこまでも、どこまでも行けるけど、宇宙の端にはたどり着けない。

さおりたちが宇宙の端へとたどり着けないのは、宇宙がどんどん膨らんでいるからだ。どう頑張っても、宇宙の端にはたどり着けない。彼女はそのことを知っている。
それでも、冒頭で引用したさおりの独白は、以下の台詞で結ばれる。

「先生。私をここまで連れてきてくれて、本当にありがとうございました。
私はここから、宇宙の果てを目指します。」


宇宙の端にはたどり着けなくても、舞台の上でなら、ステージの上でなら、どこまででも行ける。
彼女はそのことを知っている。




私は、ドーム18祭に参戦して、関ジャニ∞といっしょに、宇宙の果てを目指したくなった。








2019年から2022年まで、私は正直ゆるオタになってた。販売されるCDは全種買ってたし、音楽番組に出演したら張り付いて観てたしライブDVDも買ってたしファンクラブにもずっと入ってたしライブにも行ってたし、「彼らの行く末を見届ける」と覚悟を決めてたけど。
いや、てかその覚悟がきまっちゃてたからこそ、ゆるオタになってたんだと思う。もうこれ以上何があっても私は彼らの選択に付き合うのみ、と思ってた(今も思ってる)から、なんかもう後方腕組オタクみたいなマインドになってた。着座してた。彼らといっしょに、走ってなかった。

それが、「関ジャニ∞といっしょに宇宙の果てを目指したくなった」。

Twitterでよく使ってる言い回しで言うと、「やっぱ俺、関ジャニ∞と天下取りてぇっす……!(号泣)」になった。後方腕組オタクから舎弟になった。そのぐらい、ドーム18祭、いや「KANJANI∞ DOME LIVE 18祭」はすごかった。



私は、なにをどう頑張っても、宇宙の端にはたどり着けないことを知っている。
それでも、私は彼らに、宇宙の果てを目指してほしくなって、未来の約束なんてできやしないと知ってるのに、また絶対、彼らとドームで会いたいと、思ってしまった。



年が明けてからは、少しでも応援になればいいなと思って2017年に作った応援用のTwitterアカウントを積極的に動かしている。2019年から2022年の間はほとんど動かしてなくて、ff数も20前後になっててそしてそのほとんどが抜け殻だった。作り直すことも考えたが、当時の「大好き」も今の「大好き」も本当だし、思い出のあるアカウントなので、そのまま使っている。

3月からは就活と卒論作業が始まり、正直てんやわんやしつつも「私の就活はしようと思えば来年でもできるけど、“今”の関ジャニ∞を応援できるのは、“今”だけなんだよ……!」と暴れながらやることやった上でできる範囲でできることをやってる。

私は今、本当に、心から、“今”の関ジャニ∞が一番かっこいいと思っている。

先日、村上さんの口から「今が一番楽しい」という言葉を聞くことができた。
こんなにも嬉しいことはない。

そうだ、今なら言える。

「でも間違ってない。
 君たちは正しいです。」








私は、明日がどうなるかなんかわからないし、未来の約束なんてできやしないことを、知っている。

それでも、関ジャニ∞といっしょに、宇宙の果てを目指す。